クレジットカードやカードローンにホワイトリストってあるの?

この数回にわたって、クレジットカードの利用残高を返済しない、出来ない、といった状況になるとどうなるのか、また、その結果としてあなたのどんな情報が世の中に出回るのか、というお話をいたしました。思った以上に大変だと受け止めて頂けたら、と思いますが、

 

では、きちんとちゃんと返済をし続けたら何かいいことはないのか?

と思いませんか?ご褒美だってほしいですよね。きちんと毎月のお約束をきちんと守っているのですから。

ということで、今回はそんないい子に届くご褒美についてです。

ホワイトリスト – それはカード会社さんの大事な上顧客リスト

支払いに遅れると、お支払いの約束を破ったので閻魔様に舌を抜かれる、それ以前にブラックリストに載っちゃいます、ってよく言われています。このブラックリストに載ると二度と、とは言わないものの、一旦載ってしまうとクレジットカードやローンカードを作れなかったり、作るのに偉い大変なことになる、というのは前回までの記事でご紹介した通りでした。では、ブラックならぬホワイトリストはあるのでしょうか。

当然あります。

ブラックには支払い遅延や自己破産などのネガティブな人たちが載りますが、ホワイトの場合にはちゃんと毎月遅れることなくきっちり払う人、しかも数年にわたって継続的に「カードを利用して」は「期限までに支払う」ということを繰り返し行う人が載ることになります。

じゃあ、ホワイトリストに載るとどうなるの?

こういう使って支払ってくれる人であれば安心して利用してもらってもいい、ということでもっと使えるようにしましょう、という提案が出来る相手だと認識します。どういうことか、というと、クレジットカードは通常、利用限度額、というものが設定されています。

ちょっと実際の例を見ていくことにしましょう。

通常のカードの場合、カードを使って買い物をする場合の上限額、リボ払いの時の残高の上限額、そしてカードローン/キャッシングの時の上限額をそれぞれ決め、またこの三つの全体の合計額として総利用額(=利用限度額) というものを決めています。だいたい、通常のカード(SMBC Visa カードさんならクラシック、アメリカン・エクスプレスさんなら、緑色のカード、三菱UFJ ニコスさんならスマート)ですと、それぞれと総利用額が10万円から100万円とウェブで明示されますが、お仕事の内容や自己申告の年収に応じて大抵は10万円から30万円くらいからスタートします。そこから、定期的に使っては支払ってを繰り返していくことで、上限額(三井住友 Visa さんなら 80万円、三菱UFJニコスさんなら100万円)まで徐々に引き上げてもらうことになります。

じゃあ、上限にたどり着いたらおしまいなの?

いえいえ。ちゃんとお支払いしてもらえる方ならば、カードの上限以上に買い物してもらっても年収など支払いの源泉となるものの範囲内であればちゃんと返済が期待できることが予想できる訳ですから、当然にこの上限を引き上げたくなる、のが商売人(笑)としてのカード会社さんの方針になる訳です。また、それだけちゃんと使える人です。高額の買い物だってだんだん増えていくはずです。飛行機のチケットや高級旅館、高級レストランでの利用など。そういうニーズに対応していかないといけない訳ですが、でも、どうやって?

上級カード – 高級買い物クラブ(笑)へようこそ

ゴールド・カードは大人な印?

大人の財布を覗いたときになんとなく金色に光るカードを見たことがありませんか?普段見慣れているクレジットカードの青や緑や赤といったカラフルなものではなく、金色。ゴールド。これ、なんか高級感があってかっこいいですよね。でも、このカード、見た目の高級感だけじゃなく、それ以上にパワフルな機能の付いたクレジットカードだ、と言われたらどうでしょう。

上限額も当然、200万円まで引き上げてもらえる余地があります(三井住友 Visa カードさんと三菱UFJニコスさんの場合)が、空港でのラウンジを使えた(三井住友 Visa カードさんと三菱UFJニコスさんの場合)り、一流旅館やホテルの割引価格での予約サービスがあった(三井住友 Visa カードさんの場合)り、と、普通に高額の支払いが発生しがちな旅行の際にメリットも提供しています。

また、専用の電話番号に電話することで様々なサポートをしてもらえる、という通常のカードとは違う!というサービスを提供してくれます。

とはいえ、このゴールドカード、実はそこそこの年齢(25-30才以上)であり、年収もそれなり(400-600万円)あれば申し込み可能で発行も結構簡単にしてもらえます。なので、利用履歴がなくとも発行してもらえる可能性すらある、という意味ではまだ、ご褒美ではないですよね。

では、利用履歴がないと招待状が届かない、というカードならばご褒美感がありますよね。

プラチナ・カードは選ばれた印

はい、ゴールドの上をいくのがプラチナ・カード、と呼ばれるものです。利用限度額も300万円以上であとはお客様の利用頻度や一回当たりの額などからご相談で決まり(三井住友カードさんの場合)(三菱UFJ ニコスさんの場合は 50万から500万円の間)、それだけでも通常のカードと異なるのに、さらに、ゴールドカードで使えるようになった空港のラウンジ利用だけでなく、提携ホテルへの宿泊の際の部屋のアップグレード(三井住友カードさんの場合)やスイートルームの特別割引(三井住友カードさんと三菱UFJニコスさんの場合)、レンタカーの優待(三菱UFJニコスさんの場合)一流ホテルでの食事について一人分無料にするサービス(三井住友カードさんと三菱UFJニコスさんの場合)、各種イベントのチケットの優先販売(三井住友カードさんの場合)など、更にお得で快適な旅行やライフスタイルのお手伝いをしてくれるサービスが充実しています。

もちろん、プラチナ・カードの専用電話があって、そこで国内外のホテルや航空券、旅行先でのミュージカルなどのイベントの手配など、更に難易度の高い我儘の相談も出来るコンシェルジュ・サービスも提供されていますので、一度使ってしまうと便利でやめられなくなってしまいます。

でも、よくよく見るとウェブサイトで申し込みが可能なプラチナ・カードも最近出てきました。結構会員ステータスがインフレ状態なのが分かります。でも、そんな中、本当に Invitation Only (招待のみ) のプラチナ・カードというのがあります。アメリカン・エクスプレスのプラチナ・カードです。存在は明らかにされていますが、これはオンラインでは申し込みさせません。これになると、上限額は未公開ですが利用実績に合わせて青天井に上がっていくといううわさもあり、またカードの付帯サービスは年に一度の提携ホテルでの一泊二日の宿泊の招待などがあったり、これになれば上級カードらしさが出てきますね。

でも、更に上がある、らしいのです。

ブラック・カードは都市伝説?いえいえ今や公然の秘密なだけです

プラチナ・カードの上のカード、というのは長らくその存在自体が公式には発表されていませんでしたが、完全な招待制で発行されていた為存在自体は知られていて、ある意味見たことがある、ない、という都市伝説的な扱いでもありました。
ですが、最近では、世界的なカード会社である Visa は Infiniteを、ダイナースカードはプレミアムカードを、そしてアメリカン・エクスプレスは Centurion がそれぞれ最上級カードとして認めているようです。
もはやここまでくるとカードの利用額の上限が、という問題(実際、車が一括で買えてしまう、とまで言われています)より、どこまで使い勝手のいい付帯サービスがあるのか、がカードの内容になってきてしまいます。アメリカン・エクスプレスのCenturion ですと、ホテルはほぼスイートルームにアップグレードされ、飛行機も年4回まで同伴者の利用が無料になったり、ということらしいのです。

まとめ

さて、なぜ著者がクレジットカードジャンキーになったか、だんだんわかりましたね。クレジットカードの上級カードをどこまで目指せるか、そのためにはひたすら使って支払って、を繰り返して利用履歴を積み上げていくことで初めて招待される世界が待っていたから、なのです。

でも、クレジットカードはこの付帯サービスだけが利用するメリットではないのは既にご存知ですよね。次の記事では、もう一つの誰もが知っているメリットについてご説明したいと思います。

あなたがクレカやカードローンを作れるかの鍵を握る信用情報機関について

クレジットカードやカードローンを作る時、例えばスマートフォンの買い替えで24回払いの割賦販売をする時、またクレジットカードやローンカードを持ち続けて利用するにあたって、あなたの信用力、すなわち「お約束を守って必ず期日までに返済する能力がある」かどうかをクレジットカード会社や銀行、はては消費者金融などのお金を「貸す」人たちがどうやって調べるか、なんて、あまり気にしたことないですよね。

でも、今後長いお付き合いをするにあたってはちょっとだけ知っておくと便利なこともあるので、少しだけ長くなりますがご紹介しますので参考にしてくださいね。

信用情報機関って、そもそも何ですの?

例えば、クレジットカード会社。世の中にたくさんありますよね。それぞれの会社でその会社独自にクレジットカード会員(クレジットカードを保有するあなたのような利用者のことを会員さん、と呼ぶことがありますのでそれに倣いますね)の取引情報を抱えていたとします。そうすると、新しく申し込んだ人については情報を持っていませんので、本当にこの人が大丈夫かどうかを知るためには結構大変です。そんな悩みをクレジットカード会社の各社が抱えているならば、お互いに情報を出し合って共有したら、少なくともある会社で延滞などの事故を起こした人については新たにカードを発行させないことでお互いを守ることが出来るのでは、といって作ったものが信用情報機関です。

設立の発想が同じ業界での情報共有を目的としているので、今このような信用情報機関は大きく3つ、JICC、CIC、そして全国銀行協会とありますが、それぞれが消費者金融、クレジットカード・信販、そして銀行、とそれぞれの特徴を持った情報を蓄積しています。

ですが、例えば、銀行で借りられなくなったので消費者金融に借りに行く、といった借りる側の行動パターンがあることから、この三つの信用情報機関の間でも事故情報は共有するので、銀行がダメならクレジットカードやカードローンで、ということも実は難しくなっている背景でもあります。

ということで、一応、教科書的なところでそれぞれを少し細かく見てみましょうか。

JICC – 消費者金融業界の信用情報機関

JICC とは、株式会社日本信用情報機構のことで、主に消費者金融の会社の情報共有を行っている会社さんですが、過去にいろいろな信用情報機関と合併を繰り返してきた結果、平成27年3月末で消費者金融会社、流通系・銀行系・メーカー系カード会社、信販会社、金融機関、保証会社、リース会社など総勢1,436社さんが加盟している、という唯一すべての業界をカバーする信用情報機関さんです。実際、住宅ローンを含んだおよそ221兆円の国内の個人向け貸し出し債権残高のうち、166兆円をカバーし、特に貸金業関連ですので銀行やリース会社以外の貸し出し債権残高が8兆円あるなかで7.4兆円もカバーしている、という、ある意味国内最大級の信用情報機関さんです。

CIC – クレジットカード業界の信用情報機関

CIC とは、株式会社シー・アイ・シーのことで、割賦販売(分割払いのこと、ですね)やクレジットカード会社の情報共有を行っている会社さんです。平成28年5月の時点で情報交換を行っている加盟会社は、信販会社・百貨店・専門店会・流通系クレジット会社・銀行系クレジットカード会社・家電メーカー系クレジット会社・自動車メーカー系クレジット会社・リース会社・保険会社・保証会社・銀行・農協・労働金庫・消費者金融会社・携帯電話会社など949社にのぼります。成り立ちから、携帯電話をはじめとする割賦販売の取引情報と、自動車ローンや住宅ローンのような銀行よりはリース会社などが出すローンなどの情報に強い会社さんです。

全国銀行協会 – 銀行業界の信用情報機関

こちらは、その名の通り一般社団法人全国銀行協会の全国銀行個人信用情報センターが、加盟する全国の銀行や信用金庫、信用組合や農協、漁協といった金融機関の個人取引に関する情報を交換するところです。平成28年3月末で1,195会員が参加しています。

CRIN – 信用情報機関をつなぐ情報交流

上記の三つの信用情報機関が情報共有を行う仕組みを CRIN (Credit Information Network)といいます。ここでは前述のようにローンやクレジットカードなどの申し込みをした人の支払い能力を調査する目的で情報共有を行っていますが、その際には個人を特定する情報とその人の行った契約(ローン契約やクレジットカード発行申し込みなど)の日付などの内容、そして支払いに関する情報、特に貸し倒れなどの事故情報が共有されています。

ということで、ひとたび、クレジットカードの申し込みをしたり、ローン契約を締結すると個人情報機関を通じてあなたの契約内容や支払い履歴は他の金融機関さんなどにも筒抜けになってしまいます。

でも、私とカード会社の契約である以上情報の秘匿性を守るべきなのだから、個人情報機関にながすのはダメじゃないの?

いや、実はあなたが記名捺印した契約書や、スマホの割賦販売契約書の締結前の書面で、契約情報は信用情報機関に流すけどいいよね、という文面が入っているんです。なので、それを合意しないと契約が締結できない仕組みになっているのです。
ちなみに、スマホの契約を思い出すとわかりやすいのですが、対面でやり取りしていると、あなたの情報を調べる前に一応口頭なりで「信用情報機関で調べますけどいいですか?」と聞いてくれると思います。なぜかというと、問い合わせました、という履歴も信用情報機関で残るからなのです。これは契約締結の手前まで進んでいる件数も把握するためでもあるのです。

わかりました。では、わたしの情報っていつまで保管されて見られる状態にあるのでしょう。

例えば JICC さんを見てみると、あなた自身の情報(名前や住所、生年月日や電話番号、勤務先など)は、契約がある限りはずっと残り、では契約(ローンならばローン契約、クレジットカードならばクレジットカードが解約されるまで続く契約)はといえば、契約終了後(完済しても、破産して債務免除になったとしても)5年を超えない限り、ということなので、契約期間中はずっと、また契約終了後5年、と思った方がいいでしょう。そして、返済状況(ちゃんと返しているか、遅れているか、という情報)も取引事実(破産したとか強制解約したとか、いわゆる事故情報)もまた、契約終了後5年は保持されるようです。他方で、契約申し込みのために履歴を確認したことについてはその瞬間から6か月は残るようです。
他方で、電話帳にあるあなたの名前と電話番号、のような既に公に出ている情報は普通に持っていますし、あなたがもし運転免許証等をなくした、ということをカード会社さんに連絡したら、その情報もその情報の登録から5年も覚えていてくれるそうです。個人的には忘れたいことなのに。。。
CIC さん全銀協さんもおおむね同じような条件(全銀協さんは、官報にある情報については10年ですので、破産したことについては10年も覚えていてくれるそうです。。。)ですので、前の記事にあったように、自己破産したり債務免除になって5年間はこの情報は人生について回る、ということが仕組み上そうなっていることが分かったような気がしませんか?

でも、その情報って本当に正しいの?私が見ることは出来るのでしょうか?

正しいかどうか、それは見てご本人が判断するしかないと思います。なにせ、あなたではない人がシステムに情報を入力するのですから、あってはいけないとは思うものの、間違いだってあり得るのです。問題は、その情報のせいでカードの発行やローンの実行がなされない、という不利益を負う可能性がある、ということです。
そこで、それぞれの個人情報機関ごとに、本人確認資料と手数料(一律1,000円)を払うことで開示を求めることが出来ます。自分に関する情報なのに手数料?と思われるかもしれませんが、自分自身で作ったものでもないですし、開示するのも手続きとか人の手間が掛るので仕方ないと思ってください。
CIC さんだとこちらから申し込みますが、オンラインで確認可能です。

以前、こういう真正面から確認する方法の他に、契約申し込みのための個人情報を閲覧したという履歴もつけずに裏から一括して取り寄せることが出来る人がいる、という話があったのですが、まぁ、そんなことをする必要もないでしょうから、真正面でみるのが一番だと思います。全部見ても3,000円ですから。

で、見た結果。。。

あ、なんか間違ってる!どうしたらいいの?

そういう時は、その間違った情報を載せた会社さんとの交渉になります。というのも、信用情報機関は情報をもらって交換している場に過ぎないので訂正権限を持っていない、という立場にあるそうです。

とはいえ、実際のところ、JICC さんだけは調査確認依頼のページからJICCさんを経由して調査依頼が可能です。あとは直接交渉になるそうです。

まとめ

ということで、実はクレジットカードの発行やローン、特に住宅ローンを借りようなんていうときに影響するこの信用情報機関についていろいろと学んでみました。これを見ると、あなたのカードの利用履歴や支払い履歴も全部見られているというのがわかりましたので、気を付けないと、と思って頂けたらと思います。

クレジットカードとかローンの使い過ぎで自己破産、どういうこと?

前回の記事で、クレジットカードやカードローンの返済が滞る、滞らせるとどう返済するのか、を割とふんわりと説明しましたが、実際、滞り始めると借金の返済をどう解決する、という話と同じであるため、通常はあそこまで簡単で返せる前提のお気軽なお話にはならないケースがほとんどです。

複数のクレジットカードやカードローン、消費者金融などから借りては返しての自転車操業でなんとか給料日まで凌いだものの給料以上の返済額に膨れ上がってしまったのでまた借金でつないで。。。

となると、クレジットカードの使い過ぎやカードローンで借り過ぎたときに実際にいろいろな方法でその膨れ上がりすぎた借金を片づけなければならない、という現実が見えてきます。

そこで、今回は前回よりもさらに重い、返せなくなったら、いったいどうなるのか、というところを事前に知っておこうと思います。

返せない可能性が見えてきたら、どうなっちゃうの?

軽いものから徐々に重い解決方法に順番に見ていきますと。。。

任意整理:多分一番軽いけど社会的制裁を受ける債務免除の方法

任意整理というのは、裁判所による調停を交えることなく借金の借り手(債務者)と貸し手(債権者)との間で返済方法を協議しながら債務者の借金を整理して完済を目指す方法です。当然、債務者が債権者と交渉を直接するということは、債権者は返して当然と考えるためあなたの債務返済方法の提案の話を聞くことはないでしょうから、債務者が弁護士さんなどに間に入ってもらって交渉してもらい、返済期間の延長や返済スケジュールの調整、借り入れ利息の減免や、借り入れ元本(借りたお金)の一部減額などをしていくことになります。これによって最終的には完済を目指していくことになりますので、返す意思と返す見込みが必要になります。

なお、任意整理のために弁護士先生にお願いすると、その瞬間から借金の取り立てが債務者のところに来なくなります。というのも、その先生があなたの代理人となって交渉に入るからです。その意味では日常生活もあまり変わらなく過ごすことが出来るのです。

ただし、これを使うと、5年間は新しいクレジットカードやカードローン、その他の借金や携帯電話の本体などを含む割賦販売が出来なくなり、現金だけでの生活になります。

 

特定調停: 裁判所での調停で完済を目指す

簡易裁判所に、債務を抱えているが返せなくなる恐れがあるので債権者と調停を求めたい、という申し立てをすることで行う、債務整理の方法です。この方法ではまだ返済する意思があり、一定の返済をし続けることが必要となる一方で、調停ですので話し合いがつかなければ解決できなくなります。

弁護士を介して申し立ても可能ですが、個人でも申し立てが可能、ということで一時期は多くの申し立てが行われていたそうです。

ですが、任意整理のようにひとたび代理人が立つと督促が止まる、ということはなく、また、複数の債権者に調停を行い、同意するという交渉をし続けなければなりませんし、そのテーブルに着く前に遅延利息が日々積み重なっていき、調停が不調に終わればまた督促が続く、ということで、リスクも高い方法として認識されているようです。

実際、調停の97%が不調に終わっているという統計があるそうです。

個人再生:裁判所の決定に基づく再生を目指す

地方裁判所に、債務を抱えているが返済できない可能性があるので、再生計画に基づいてある程度返済するので債務の一部の免除を求めたい、という場合に使われる方法です。その再生計画が裁判所で検討され、場合によっては債権者の半数以上がそれに同意する必要があるのですが、この場合、自己破産と異なり自宅売却や自動車の処分までは行いません。

この場合、債務は原則5分の1まで免除されるので返済は楽になります。その意味ではメリットは大きいのですが、反面、官報に住所と氏名が掲載されるので金融機関のブラックリストに載ることは間違いなく、向こう5年から10年は新しい借金やクレジットカードやカードローンの契約が出来なくなるのは確実、なのは任意整理と同じですね。

自己破産:もはや返済能力がないので裁判所の決定に基づいて債務免除する

もはや返済能力がないので裁判所によって破産宣告を受けて破産者としてもらい、それを受けて債務の免除を求めるという方法です。当然、その代り保有する資産は生活に必要最低限のもの以外は差し押さえられますので、債務はないけど資産もない状態からの再出発となるのです。

ある意味借金がすべてなくなる、というメリットはありますが、平成15年以降、免責許可(借金棒引き)の条件が厳しくなったことから自己破産として認定してもらえない可能性がたかまったのも事実です。

また、個人再生同様、破産宣告も官報に住所と氏名が掲載されることから金融機関のブラックリストに載ることで向こう5年から10年は新しいクレジットカードやカードローンを含めた契約が出来ないのは当然の事、破産者リストにも載るため会社の取締役や弁護士などの一定の資格の仕事に就くことが出来なくなる、長期旅行や転居も裁判所の許可が必要という自由の制限、郵送物は必ず管財人が一度目を通す、そして、ほぼすべての財産が処分されるので免責直後は生活に必要な20万円程度しか手元に置けず、その後も現金は最高で99万円まで、という、その後の生活を確保するという意味でも厳しい環境に置かれることにもなります。

そして、免責を受けてから7年間は改めて免責を受けることが出来ませんので、再び借金にまみれても助けてもらえません。また、税金や養育費、個人事業主ならその従業員の給与は必ず払わねばなりません。

まとめ

ということで、クレジットカードやカードローンも使い方を間違えると、果てにこんな結末が待っているということを知っておくと、使い方も気を付けなければ、と思って頂けるのではないでしょうか。

本当に、ご利用は計画的に。借金で人生を棒に振るほど割の合わないことはない、というのは実際に自己破産や任意整理を経験した人たちが口々にいうことですので。。。

クレジットカードやカードローンなどの支払いが出来なかったらどうなるの?

今まではクレジットカードカードローンを「使う」ことについてそのメリットやデメリットなどに着目して解説をしてきましたが、今度は「使った」ら「返さなければ」いけないので、そこについて解説をしたいと思います。

クレジットカードやキャッシングを利用したら、通常は翌月の決められた日に銀行口座から自動引き落としされたり、メールの通知を受けてコンビニ決済で支払ったりすることになるのですが。。。

もしかして払わなくても許してくれちゃう?私一人返さなくても大丈夫だよね?

なんて思ったこと、ないですか?それとか、

引き落としの日に残高が足りないけど、どうなるんだろう、

とか思ったこと、ないですか?どうなるか、ちょっと見てみましょう。

自動引き落としの日に残高が足りなかったら

まず、引き落としは全額引き落としできる額が残高にないとしません。部分的に払う、というのが出来ないのです。ですので、引き落としの日には事前に通知される額以上の残高をおきましょう。そこで、次の質問になります。いかなる事情であっても、引き落としに失敗したら何が起きるのでしょう。

引き落としに失敗したら

引き落としに失敗して数日が経ったところで失敗した旨の通知が銀行からカード会社さんに連絡が行くので、それを受けて一般的にはハガキなどの普通郵便で引き落としに失敗した旨の連絡が送られてきます。ですので、タイミング的には一週間後くらいでしょうか。その時、運が良ければ失敗した人のための再チャレンジとしてもう一度自動引き落としをする、という通知をしてくれる会社さんもあるのですが、再チャレンジがない場合には、もう延滞利息が積み上がり始めていますので、通知にある口座に通知にあった金額(本来引き落とす額と延滞金利の合計額)を自分の送金手数料負担で送金することになります。ですので、延滞金利は日々積み上がりつつあるので、引き落としに失敗したことが先に分かっている場合も含めて、カード会社さんに連絡してその日時点の総額を確認した方がいいかもしれませんね。

ちなみに、なんで送金手数料まで負担しなきゃいけないの?ちょっと遅れた程度じゃない?なんて思うかもしれませんが、日本の法律ではお金を「借りたら」借りた相手のところにどんなに遠くても「持参」、すなわち持っていかねばならない、のが基本なのです。

あと、自動引き落としができなかったのはうっかりだったから勘弁して、とか、体調が悪くて口座の振り替えができなかった、とか、大雨で動けなかった、という言い訳をして許してもらおうとしてもダメなんです。これも日本の法律でお金を借りたら約束の日までに何があっても返さねばならない、とされているからなのです。と言いつつも、大震災があった、のような誰が見てもどうしようも無い、という誰にとっても特殊な事情の場合は許してもらえるケースがありますので、自分の都合じゃ無い時でみんなも同じようにどうしようも無い場合には相談する方がいい、のですが、寝坊したから、という個人的な理由は絶対に許されませんのでご注意を。

また、すでにお気づきかと思いますが、延滞した瞬間から、扱いとしては借金の取り立てモードに会社さんは入っています。

あと、忘れてはいけないのが、この時点でほぼクレジットカードは使えなくなっています。

二度目の引き落としも失敗したら

二度目のチャンスもふいにしたあなた。逃げ切った気分になっていますか?そんなに簡単じゃないですよ。
カードを発行した時に申し込み用紙に書いた、その折り返しの電話として「これからカードを発行しますので(云々)」というお話をした(覚え、ありませんか?)時の電話番号にお電話がかかってきます。通常は優しそうでにっこりと笑っているお姉さん、です。って、電話の向こう側の人の顔写真ってそうそう見られないですよね。。。
内容的には、要約すれば声のトーンや話すペースなどを除けば「早く返してくださいね。いつ返すためのお金が入る予定ですか?」という返す当てを聞いています。次のお給料はいつか、とか、あなたの返す資金力を確認する必要があるからです。あ、日々延滞利息は積み上がっていきますので、後にすれば後にするほどきつくなります。

しかも、お電話は何度も何度もかかってきます。そりゃそうです。貸している側は心配なんですから。。。職場にも掛かるかもしれません。それだけでも十分社会的生活が難しいですよね。

そこで返す約束をしたものの、それでも失敗してしまう、もしくはまだ許してくれるだろう、なんて甘く考えていると。。。

あなたの社会的信用がなくなる瞬間

通常、最初の支払いの約束日から、62日から3か月経つ間にクレジットカード会社さんは信用情報機関にあなたの支払いが遅延していることを登録します。場合によってはカードの強制解約が行われる場合もありますので、その強制解約した旨も登録されます。

これはどういうことかというと、あなたはとあるクレジットカード会社さんとの約束を守れない、信用できない人だ、ということをクレジットカード会社さんの業界や銀行、消費者ローン、といった信用でお金を貸す人の間に情報共有された、ということなのです。その結果、もし他のクレジットカードを持っているならばそちらも利用停止や強制解約、のような手段が取られることになります。

当然のことながら、これのお陰で新しいクレジットカードやカードローンの申し込みも受けつけられなくなります。

この情報は5年保存されますので、住宅ローンを組みたい、というときにも影響が当然に出てきます。

ですので、この時点で仮に返済しても、向こう5年はクレジットカードやローンが使えない生活を強いられます。そうなると家はおろか自動車のような大型の買い物も当然買えなくなってしまいます。

なお、これは一ヶ月程度の延滞を何度もしていたらここにたどり着かない、という意味ではありません。延滞の常習犯も会社さんの方針により回数に違いはあれども、何度もやれば思っている以上に早い段階で信用機関に延滞履歴が登録されてしまいます。

じゃあ、返さないで開き直っちゃえ、と思っていると。。。

お金を返せという訴訟が待っています

三ヶ月経過すると、クレジットカード会社さんが裁判所に支払い命令を求める訴訟を行い、通常はあっさりと受け入れられますので、クレジットカード会社さんからではなく裁判所から支払督促が届きます。今までの未払い分と延滞利息の合計を一括して支払、という内容です。
それでも支払ません、支払いません、まだ逃げ切れる、なんてやっていると、最後には給与や銀行口座の差し押さえが行われます。こうなると生活がほぼ不可能になってしまいます。

そうなる前に、支払督促が来たら二週間以内に異議申し立てを行って、分割でいいから支払うので差し押さえだけは回避させてください、とお願いすることになります。その場合には裁判所で第三者の立会いのもと、今後の支払スケジュールを給料などとの兼ね合いでクレジットカード会社さんと決めていくことになります。

もちろん、これで一回でも支払なかったら差し押さえです。逃げきれません。

あ、ちなみに、この頃になるとクレジットカード会社さんのあなたの担当は可愛らしくソフトタッチなお姉さんであることはもはない、でしょう。。。

まとめ

このスケジュール感を書くと、どこまでは延滞利息を払えば遅れても許してもらえるんだ、という誤解を抱かれそうで悩ましいものはありましたが、ある程度スケジュール感を持つと、その危険度がわかれば、と思って書いてみました。
いずれにせよ、延滞も習慣化しかねないので、常に払うように心がけることが大事です。

間違っても逃げきれません。たくさんの人がいるから自分だけはちょっとは大目に見てもらえる、なんていうことは幻想ですので、それだけは覚えておいてくださいね。

クレジットカードとキャッシング、カードローンとはどう違うの?

クレジットカードは、お店で買い物をするときに提示して支払いを後に回す、という話をあちこちの記事で書いてきましたが、前回、同じカードだけどデビットカードというのがあってこれは買い物のときに直接あなたの銀行口座の残高から支払いに当ててしまう、というATMいらずなカードのことをご紹介しました。

よく見ると、クレジットカードとデビットカード、見た目が変わりがありません。でもデビットカードは ATMに入れたらあなたの銀行口座からお金を引き出すことが出来ます。クレジットカードもデビットカード(というか銀行のキャッシュカード)と同じように ATM に入れて予め決めてある暗証番号を入力して金額を指定すると、その金額が同じように出てきてしまいます。でも、そのお金はどこから来るのでしょう。

キャッシング – 銀行口座が困った時のお助け、だけど。。。

キャッシュカードを申し込む時に、「キャッシング枠について」、と書いてある場所があって、◯万円を選べるようになっていたのですが、気づいていますでしょうか。これが、上で書いているクレジットカードをATM に入れたら出てきたお金の出所、なのですが、言ってしまえば、これがザ・借金です。そうなんです。クレジットカードの発行会社さんがあなたのために、無担保で、すなわち、特にお金を貸すときの担保として土地とか何も入れなくて良い代わりにあなたの信用力に期待して、いつでも上限を◯万円としていくらでも何度でも引き出し可能な貸し出し枠を決めて貸してくれているのです。そして、翌月に一括返済ということで、借りた日数に 最高年率18%の金利を上乗せして借りたお金を返さねばなりません。

もちろん、クレジットカードのときの支払い方法の裏技同様、借りたお金を期限より先に返してしまうことも可能です。ですので、給料日の前日に飲み会だった、ということでキャッシングで借りて、翌日の給料日に入った給料の一部ですぐに返済してしまえば、1日分の金利程度で済んでしまう、ということも出来てしまいます。10,000円あたり年率18%ならば1日 5円弱。こう考えると、自分の口座からATMで現金を引き出すときの手数料である108円から216円より安く上がるかも、と考えてしまいますよね。

ちなみに、キャッシングはクレジットカードの発行会社だけが行っているわけではなく、よく耳にする「消費者金融」とか「サラ金」と呼ばれるタイプの消費者向けの貸付を行っているところも、基本的にはキャッシングで一括で返せる額を貸して、翌月にちゃんと返せる人か確認してから、次に説明するカードローンに誘導して「卒業できなくなる」はめに陥ることもありますので、ご注意を。。。

カードローン – さらに現金を借りやすく、返しやすく。。。ほんと?

最近、テレビのCMで銀行さんが一生懸命宣伝しているので耳にしたことがあるかもしれません。カードローン。基本的には、上述のキャッシングと同じく一定のローン枠を利用者の信用枠と希望に合わせて設定してその枠の上限額を上限として貸付をATMなどを経由して行います。キャッシングと異なるのはカードローンの場合、「ローン」という名前の通り、分割払いで返済していきます。なんとなく、以前支払い方法で取り上げたリボルビングと似ていますよね。むしろ、リボ払いがこのカードローンの仕組みをカードの決済方法に組み込んだようなものです。
さて、クレジットカードでATMから現金を引き出すと、上記のキャッシングになる、という話をしましたが、クレジットカードでカードローンを申し込むことでこのカードローンを利用することができます。
また、上記のように消費者金融/サラ金もカードローンを利用することが可能なところがあります。

さらに、銀行さんもカードローンを発行しています。

違いはどこにあるのでしょう。単純に金利の違い、であり、それは審査の厳しさの違いに反映されます。金利が高い方が審査は緩く、金利が低いほど審査は厳しくなります。また、金利については銀行のカードローンが低く、クレジットカードと消費者金融は実はあまり違いがない、というのが実感です。ということは。。。銀行のカードローンは宣伝しているけれども、ちょっと敷居が高い、ということが見えてきますね。

カードローンはオススメなの、FPさん?

上記でちらっと書きましたが、ATM手数料をうまく回避しながら現金を引き出したり使いたい、というニーズとスケジュール管理がしっかり出来るのであれば、多分有効に使えるのではないでしょうか。
ただ、もし住宅ローンを借りて家やマンションを買いたい、というあなたに言えることは

「いますぐ使っていない消費者金融やカードローンは全て解約して、使っているものも出来るだけ一番金利の低いのにまとめるようにして、利用件数を減らしてください。」

です。というのも、住宅ローンを借りる時に、貸し手である銀行さんはローンを使って買う土地や建物を見るだけでなく、あなた自身の返済能力も確認します。その時にこれから借りる住宅ローンだけでなく、その他の金利の高いローンを借りていたら、返済できるだろうか、もしくは金利の高い方を優先して返すのではないか、と心配するのが普通ですよね。仮に借りていなくとも、カードローンの契約を持っているだけでも、いつでも借りることができる、という意味ですので、慎重になります。

実際に、カードローンだけでなくクレジットカードもショッピング用の信用を使っている、とみられますのでクレジットカードも減らせ、という人もいますので、どこに重点を置いて借りる・借りられる体制を作るか、ということを考える必要がありますし、そのお手伝いをするのがFPのお仕事なのでご相談くださいね。。

まとめ

いや、本当にカードローンやキャッシングについては

ご利用は計画的に

やらないと、本当に大変なことになりますので注意してくださいね。

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