ケイマン諸島でファンドをこれから作る時、気にするべき Guideline の考え方

ファンドの世界に限らずですが、金融の世界というのは、(私が経験したビジネスで言うと、デリバティブ取引から証券化、そしてファンドまで)ある一定のビジネスドメインが出来上がる頃には一定の商習慣や関係者間の一種の阿吽の呼吸みたいな不文律、なんてものも出来上がっていくものですが、面白いもので、そこそこ盛り上がりそうだ、というビジネスドメインには外部からビジネスチャンスを狙って入ってくる人たちなんてのもいて、過去の経験則と新しい領域との相似性を元に、もっとこうした方が合理的だ、なんて言い始めてだんだん物事が複雑になる傾向があったりします。また、そうやって、どんどん参加者が増えていくと、当然、金融当局なんて下世話なお節介焼きが入ってきては、やれ投資家保護だ、やれ市場の健全性だ、なんて今まで聞いたこともないような概念で法令なんて形で規制を強いてくる、やれやれ、なんて古参の市場参加者は思ったり思わなかったり。

しかも、それを称してエコシステムの醸成のために民官が協力しあって、なんて格好いいことを言う御仁というのも本当にどのビジネスドメインに複数、それこそ地元の町会にそれぞれ三人くらい偏屈親父がいて、その横で近所の民生委員のような、これまた町内に必ず一人はいそうな、区役所の職員か税務署の役人か、と思うくらいに堅物でお節介焼きと、行政からこう言われているから、あんたちゃんとこーしなさいよ、なんて言われて、何言ってやがるんだい、俺は昔からずっとこうしているんだ、なんて、あーでもない、こーでもない、とやっているのと同じようくらいの確率でいたりするわけで、まぁ、そう考えると、ビジネスだろうがご近所付き合いだろうと、人間のやっていることは規模と扱うお金の差程度であまり変わらないのかもしれません。

ケイマン諸島で始まった Guideline って?

で、ファンドの世界で、無駄に頑固でいじっぱりのルクセンブルクの関係者は絶対に表向きは認めない(のもあって、EUという大枠とは全く関係なくAMLや税務で常にケイマン諸島を最後までブラックリストにするのですよ。まー、国の嫉妬ってのも男の嫉妬くらいねちっこいですな。)だろうけど、実質的なところを見れば、ファンドの設立数やそのスキームに対する自由度などからケイマン諸島がどうしても一番大きな法域、と言わざるを得ません。ということは、たくさんの参加者がいて、法律の許す限りあれこれ自分のルールでファンドを運営して投資活動に勤しんでいるわけですが、そうなると、ファンドの運営という観点で、法令等で求めている最低限の実務的な手続きというものがあるはずだけど、本当にそれをやっているのか?という疑問が生じるのです。

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