オルタナ投資関連の業界団体、日本国内にどれだけあったっけ。。。

業界皆で輪になって。。。どこに向かう?

前回の記事を書いてから随分間が空いてしまいました。ネタ切れを起こしていた、というよりは、CFPの試験勉強に集中したり、その後もバタついていたので私的なブログすらアップできていないという体たらく。。。なのはいつもの事ですね(苦笑)。

オルタナ投資業界の横のつながり、何があったっけ?

業界皆で輪になって。。。どこに向かう?さて、実は今週の某日の晩に、ヘッジファンドの投資関連では業界内でとても顔の広い方が主宰されて極めて私的なネットワーキングの会の忘年会がありまして、久しぶりにお邪魔させていただきました。主宰者さまが今年は本業が変わられたこともあってお仕事に忙殺されて会の開催も頻度が減ったりしたらしいのですが、それでも、忘年会ということで、毎度のこと業界内の多方面のビッグネームが数多く参加されている(ので名刺交換と情報交換が盛んにおこなわれている)のを見て

「相変わらず、みんなすごいなぁ」

と末席でお酒をすすりつつ静かに近くにいた(某直近ビッグなポジションに着任された方を含む数名の)方たちと語らっておりました。

その席の最後で、とある業界内の団体の立ち上げが動き出している、という話が出たので、ふと、そういえばこの狭いと言われるオルタナ投資業界、その中でいわゆる業界団体ってどれだけあったっけ、とふと思い、その立ち上がる団体のご紹介も兼ねてつらつらと羅列していこうかと思います。といっても、さして業界に顔が広い訳でもないですから、私も見落としがたくさんあるとおもいます。そんな時はここで紹介してもいいぞ、とご指摘ください。喜んでリンクを張らせていただきます。どれだけ貢献できるかはまた別として。。。

AIMA (Alternative Investment Managers Association)

私も随分長くおせわになっているので、これは最初にご紹介せねばならないでしょう。英国ロンドンに本拠を置く、主にヘッジファンドの運用者と、それに関連した法律事務所や会計士、ファンド・アドミにリスクマネジメントサービスといったサービスプロバイダーが構成して、ヘッジファンド業界の声を各国当局者に届けることを主な目的として設立された団体です。今では、ヨーロッパ、アメリカ(米国とカナダ)、アジア(日本、上海、香港、シンガポール、シドニー)などに拠点があり、互いの情報交換や世界各国の規制当局の動きのまとめを月次で報告したり、ヘッジファンド投資の際には今や標準となった質問票(Due Diligence Questionnaire) の提供などを会員に提供しています。余談ですが、日本語版 DDQ は私めがだいぶ監修をさせて頂きました。いや、日本語のクオリティは大事ですから。。。

ちなみに、元々は先物取引などの運用者の集まりが会の始まりで、それが今ではヘッジファンドの業界団体になっていますが、今後は “Alternative”らしくその他の戦略の運用者の人たちも参加を望んで行こうとしていくようです。が、ヘッジとプライベートエクイティ、ベンチャーキャピタルはそもそも別の生き物ですので交わっていけるのか。。。

CAIA (Chartered Alternative Investment Analysts) Association

AIMAが運用者や投資家の教育を推し進める一環として組織されたのがCAIAというヘッジファンド投資に関する国際資格認定組織である CAIA Association。世界中で 8,400人以上の有資格者がいるのですが、英語での試験ということもあって日本では有資格者が少なかったのですが、今年の6月に CAIA の日本法人も出来てさらにメンバーを増やして行こうとアジアでの拡大路線の一端として日本も入れてもらえているのはちょっと安心です。まぁ、どちらかというと投資家サイドにいる人が多い感覚がありますが、やはり投資判断の一助となるべく、ということなのでしょうか。

ちなみに、この数年、AIMA Japanと CAIAの日本にいるメンバーで忘年会を合同で開いています。

CFA (Chartered Financial Analysts) Institute

CAIA がヘッジファンド投資に特化しているのに対して、日本の証券アナリストの国際資格に位置するのは CFAでそれを国際的に運営しているのが CFA Institute。CAIAとの違いは、というとCFAの守備範囲がヘッジファンドに限定されない、広範囲の知識を要求される、という意味ではヘッジファンド以外の世界でも食べていける強さがある一方で、CAIA にはヘッジファンド特有の専門性が求められるのでその筋では強みが発揮される、というところでしょうか。日本では日本CFA協会さんが運営基盤になっています。

AAIN (Asian Alternative Investors Network)

AAIN さんもロンドン発祥の組織で、ロンドンでオルタナティブ投資をするアジア人のネットワークを作ろう、ということで始まり、それがニューヨークでも集まって、日本でもやろう、と言って3-4年前に数回イベントがあって呼んでもらった記憶があります。
ただ、有志による集まりと言いつつもメンバーシップが結構高額なのと、イベントもメンバーだけ、というところで運営のコストが高いのかな、と思っていたら気づいたらあまり最近聞こえて来ず、今回調べたら本体のウェブサイトにアクセス不可。。。もしかした自然発生したように自然消滅したのかもしれません。
なかなか、この手の組織を作り、運営し、維持するのって資金面でも企画運営の面でも大変なんですよ。 AIMA Japanでだいぶ鍛えられました(笑)

ヘッジファンドの話から、少し別のオルタナの話もしてみたいと思います。特にアドミの世界ではアジアではプライベートエクイティやベンチャーキャピタルにそのビジネスの重きが置かれつつあるようですので。。。

JPEA (Japan Private Equity Association)

日本プライベートエクイティ協会さんはその名の通り、プライベートエクイティの運営者を中心に構成される組織で、この業界の運用側の声となる組織でもあるそうです。以前話を伺ったら、常任理事となる会社さんの持ち回りで事務局も管理する、ということで結構手弁当が大変だろうなぁ、という組織です。
運用者が中心ですので、アドミなどのサービスプロバイダーは賛助会員という形でしか入れない、という本当に運用者に軸足が置かれた組織だということもわかると思います。

JVCA (Japan Venture Capital Association)

日本ベンチャーキャピタル協会さんも、同じくベンチャーキャピタルの運用者を中心に構成される業界団体です。お世話になっている方がつい昨年まで事務局をされていましたが、その際に金融商品取引法第63条の適格機関投資家向け特例業務のルール改正の時に、パブリックコメントを経て施行させず作り直しを求めた時のメインとなった団体さんの一つです。あの時の改正がもろに自身が見せねばならないコミットメントを出せないようにするものでしたので死活問題からあそこまで差し戻させた、という実力のある業界団体さんと個人的には思っております。

JASVE (Japan Academic Society for Venture Capital and Entrepreneurs)

日本ベンチャー学会さんはちょっと毛色の変わったところですが、起業やその後のステージでの会社運営や、それに対するエンジェル投資などについて学術的アプローチで検証しようとする人たちの集まりです。一時期参加させていただきましたがかなり高尚な研究をされていたのでついていけなくなりました。。。

JVPN (Japan Venture Philanthropy Fund)

日本ベンチャーフィランソロピー 基金さんは、ベンチャーキャピタルやプライベートエクイティの投資のスキルと基金や年金と言った投資家の社会的投資、そして余剰利益の社会還元、といったことを組み合わせて所謂ソーシャルインベストメントをして社会貢献をしよう、とロンドンで始まった European Venture Philanthropy Association の、アジア版、Asia Venture Philanthropy Network に触発されて出来た日本版。ベンチャーキャピタルやプライベートエクイティの関係者が手弁当や勤労奉仕の形で参加していて、その意義などを考えると私もいつかは、なんて思いつつも指をくわえて見ています。

NPEL (Nippon Private Equity Ladies)

NPEL さんは、日本におけるプライベートエクイティファンド業界に携わる女性たちがその互いの知識やネットワークを互助することで業界での女性の地位向上であったり業界内の横断的なつながりを維持していこう、ということで始まったそうです。元々香港に同じコンセプトの集まりがあるそうで、その日本版、ということですが、定期的に集まって、食事会や勉強会を開いて男性の業界内の著名な人に話してもらったり、と有意義に活動されているらしいです。そりゃ、私が男性だから参加できませんから知る由もないのですが。。。

100WHF (100 women in hedge funds)

100 women in hedge funds はニューヨークでヘッジファンド業界に携わる女性が100人集まったら、ということで始まったそうで、こちらも女性の業界内ので地位向上であったり知識の共有であったりを目的として活動を始めたそうで、今や世界全体で18,000人以上が集まっているそうです。リンク先を見ると、今では金融業界全体を包括しているようですが、まだ日本には支部がなく、これから立ち上げようと有志が集まっているそうです。

終わりに

さて、実はここにいくつか出てきていない業界内のネットワークを作っている人たちがおります。例えばヘッジファンドの世界では有名な Tokyo Hedge Fund Club は元Bear Sternのプライムブローカーだった人が在籍中から会社とは切り離して個人的に機関投資家とファンドマネジャーを直接つなげるパーティ形式のイベントを始めたのを端に今も継続的に行っている会ですし、冒頭でご紹介した会も、私的な会、とはいえヘッジファンドの業界を横断的にカバーする会として正直名前とは裏腹に巨大なネットワーキングになっています。また、私が個人的にお世話になっている方が会社名義で行うネットワーキングイベントも微妙にかぶりつつも重ならない人たちとお会いできる会ですし、その人と私とで開催するネットワーキングイベントも小さいながらも密度の濃い人たちとの横のつながりを飲みながら作りだしたりします。

思ったほど大きくない業界なので、人と人がどこでどう出くわすと化学反応が起きるか、それが間近で起こる世界ですのでおもしろいな、と個人的に思いつつ顔を出す日々です。逆にいれば、悪いことも全部あっという間にみんなに知れてしまう小さな世界、とも言えますが。。。

ということで、これを読まれたあなたともどこかでお会いするのでしょうね。きっと。私がこんなことを書いている人間と知ってか知らずか(笑)

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