クレジットカードは、どうやって支払うの?

前回、クレジットカードは借金か、というきになる話をしましたが、他方で、借金的な性質だからこそ生まれる時間の有効活用についてはお話ししました。

その際にキーワードになったのがクレジットカードの発行会社への支払いのタイミングについてでした。そこで、今回はクレジットカードの発行会社への支払いについて色々と裏技を含めて見ていきたいと思います。

クレジットカードの支払い方法って?

基本は一回払い

以前の記事のケース1で、クレジットカードを使ってから実際にその支払いをするまでの流れを見ましたが、その際にさらっと使っていたのが翌月に一回で支払う方法でした。この「一回払い」はクレジットカードの支払い方法の基本になります。その月の締め日までにクレジットカードを使って買い物などをした額を一括で翌月の決められた日にあらかじめ届け出ている銀行口座から自動引き落としするか、利用明細とともに締め日までの利用額の合計に基づくコンビニやクレジットカードの発行会社のサービス・カウンターなどで支払える請求書での支払いをするか、というのが一般的です。なお、前回の記事でも説明したように、この期限で一括で支払えれば手数料も金利も不要です。

一回払いの変形版 – ボーナス一回払い

個人的にはボーナスというものにもう10年近くお目にかかった記憶がない(ああ、悲しい自営業。。。)のですが、一般的にお勤めされている方だと夏と冬に、仮に運悪く外資系金融機関にお勤めされた場合には業績が良かったら会社の年度末過ぎの年一回だけ、ボーナスというものをいただけるかと思います。そのボーナスを当てにしてちょっと大きな買い物をしたい、と思うのは自分へのご褒美的にもありですよね。

とはいえ、ボーナスをもらってから買い物する、というのはご褒美的にはいいと思うのですが、冷蔵庫が急に壊れた!とか、予想しなかった出費が発生した時に毎月のお給料の中からやりくりするのもちょっとキツい場合もありますよね。そこで、ボーナスを当て込んでそんな大型出費に対応する、というのも一つの手です。カード会社によって夏や冬の引き落としのタイミングが異なりますが、基本的には買い物をする時に「お支払い回数は?」と聞かれたら「ボーナス払いで」と言えば、手数料無料でその次に来る夏か冬のどちらか早い方の引き落とし日まで支払いが先送りできます。
とはいえ、自分へのご褒美の前倒しになりがちですのでご利用は計画的に(笑)

月々の支払いを平坦にしたいあなたに – リボ払い

クレジットカードでの支払いを、公共料金の支払いや普段のスーパーでの買い物などにも使い始めていくと、自然と月々のクレジットカードの支払いが積み上がってしまいがちです。しかも月によって支払額がバラバラ。他方でお給料は基本的には毎月同じ額、となると、クレジットカードの支払額も毎月固定になってそれ以上の支払額が翌月に先送りになってうまく均等になってくれると、自分の銀行口座の動きもコントロールしやすくなる、ような気がしますよね。そんな便利な支払い方法、あったら嬉しいですか?あるんです。
リボ払い、と呼ばれる支払い方法を使えば、例えば毎月 1万円を支払いに充てる、と決めると、リボ払いに指定した支払額がリボ払い枠に積み上がり、月々の返済額だけ減っていく、というものです。

リボ払いの落とし穴

さて、これで月々の資金管理が便利になりそう、ですが、実はFP的にはあまりお勧めではないのです。というのも、このリボ払いは手数料のかかる支払い方法なのです。

ケース2: 9月に5万円のお買い物をして毎月1万円のリボ払いを指定した場合

毎月26日払いとしたら、10月26日は10,000円の支払いをして、残りの残高が4万円。その次の11月26日の支払いは、といえば、10,000円の約束にもかかわらず、10,616円。その内訳はといえば、10,000円はリボ払いの残高の4万円のうちの1万円、残りの 616円は手数料でして、計算方法としては、10月1日から26日までの 26日分を 50,000円借りて、27日から31日までの5日間は4万円を借りている、という計算で、利率15%で手数料を計算したもの。
当然、12月26日には、11月1日から26日までの 26日分を 40,000円借りて、27日から30日までの4日間は3万円を借りている、という計算で、利率15%で手数料を計算した分が利息として支払うことになります。いわゆる元金均等払い、というやつですね。なので、仮に最初の5万円だけがリボ払いの対象になったとしても、3月26日まで支払いは続き、かつ最終日となる3月26日には、2月1日から26日までの1万円の利息だけを支払うことになります。

ですので、もし資金に余力があるならば、手数料のかからない方法を選んでさっさと負債は増やさないようにしてほしい、というのがFP的な願いにはなります。ですが、なかなか難しいですよね。そういう時に使ってほしい支払い方法が実はあるんです。

実はあまり知られていない支払い方法 – 2回払い

あまり買い物をした時にお店の人に提案されることがない支払い方法ですが、指定すると案外出来てしまうのがこの「2回払い」。これは締め日の直後に来る支払い日とその次の支払日の二回に均等に分割して支払える、というものです。なので、先ほどの9月の5万円のお買い物を例にすると

ケース2’: 9月に5万円のお買い物をして2回払いを指定した場合

ですと、さすがに1回あたり25,000円と、リボ払いの10,000円にはなりませんが、10月26日と11月26日にそれぞれ25,000円のお支払いをしておしまい。手数料は?と思ったあなた、お目が高い。2回払いならば手数料はなし。これは結構お得ですよね?
でも、そこで思いますよね。

2回払いが手数料なしで出来るのなら、3回だって手数料なしでして欲しいな。

3回以上の分割払いは実は別の支払い方法の法律があるんです-割賦販売

そうなんです。実はクレジットカードでの支払いで、3回以上の分割にして支払うことも、お店とクレジットカードの契約内容によっては可能は可能です。ですが、携帯電話や自動車のような高額の買い物をする時などによく使われるこの分割払い、実は割賦販売法という法律があって、3回以上の分割払いをする場合にはこの法律が適用されてしまうんです。そこでは必ず手数料(金利ではないんです。お金を貸しているわけではないから。)を取らねばならないという決まりがあったり、もし分割払いを遅れたりした場合には、この場合ですとクレジットカードの発行会社が割賦販売で購入した商品を支払いが行われるまでの間引き上げてしまうことが出来る、など、通常のクレジットカードの時とは少し異なるルールが適用されるのです。ですので、手数料などを含めて割賦販売になるときには内容についてはちゃんと確認した方が安心です。

そういえば、裏技って何よ?

あ、忘れてました。裏技のことを。
すっかり最初に言うべきことだったのですが、クレジットカードは幾らでもお買い物とかに使えるわけ、ではないのです。というのも、無制限に使えてしまっても、実際に翌月に支払えなかったら、その瞬間に借金に変わるわけでしたが、クレジットカードの発行会社の立場からすれば、そうなった場合に借金が回収できない額になってしまうと当然困りますので、その前の時点で使える額の制限、利用枠と呼びますが、を設定しておくことでそんな返せない借金にならないようにしているのです。
でも、使う側からすると、予定外の大きな買い物をする必要ができたので利用枠の残高が足りない、とか、クレジットカードでの買い物のメリットがポイントなどにも及ぶのですから出来るだけ多くの枠を使いたい、と考えるのですが、この枠は早々に増やせません。どうしたらいいでしょう。

そこで裏技なのです。

実は、クレジットカードの発行会社に対する支払いは自動引き落とし日が来るまでおとなしく待っていなければいけないものではないのです。というのも、そこまで待ってもらえる、という利便(法律用語ではこれを、期限の利益、なんて言います。)をクレジットカードの利用者が得ているのですが、その利便を諦めても当然問題はないのですから、事前に銀行口座情報を聞いて送金してしまうのです。送金手数料がかかりますが、その代わり送金した分だけ利用枠がまた復活しますので、前述のような予定外の大きな買い物のための利用枠を確保できたり、また、その利用枠分だけクレジットカードを使ってポイントを貯める、ということが出来るようになるのです。

まとめ

クレジットカードを使って、その後の支払いには基本的には1回/2回/ボーナス/リボ払いの4つがあるので、これをどうやって上手に使い分けるかがクレジットカードの利用者側の頭の悩ましい話になりますが、手数料を払わなくとも、まだ幾つかの選択肢がある、というのも実は頼もしい話ですね。

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