今まではクレジットカードやカードローンを「使う」ことについてそのメリットやデメリットなどに着目して解説をしてきましたが、今度は「使った」ら「返さなければ」いけないので、そこについて解説をしたいと思います。
クレジットカードやキャッシングを利用したら、通常は翌月の決められた日に銀行口座から自動引き落としされたり、メールの通知を受けてコンビニ決済で支払ったりすることになるのですが。。。
もしかして払わなくても許してくれちゃう?私一人返さなくても大丈夫だよね?
なんて思ったこと、ないですか?それとか、
引き落としの日に残高が足りないけど、どうなるんだろう、
とか思ったこと、ないですか?どうなるか、ちょっと見てみましょう。
自動引き落としの日に残高が足りなかったら
まず、引き落としは全額引き落としできる額が残高にないとしません。部分的に払う、というのが出来ないのです。ですので、引き落としの日には事前に通知される額以上の残高をおきましょう。そこで、次の質問になります。いかなる事情であっても、引き落としに失敗したら何が起きるのでしょう。
引き落としに失敗したら
引き落としに失敗して数日が経ったところで失敗した旨の通知が銀行からカード会社さんに連絡が行くので、それを受けて一般的にはハガキなどの普通郵便で引き落としに失敗した旨の連絡が送られてきます。ですので、タイミング的には一週間後くらいでしょうか。その時、運が良ければ失敗した人のための再チャレンジとしてもう一度自動引き落としをする、という通知をしてくれる会社さんもあるのですが、再チャレンジがない場合には、もう延滞利息が積み上がり始めていますので、通知にある口座に通知にあった金額(本来引き落とす額と延滞金利の合計額)を自分の送金手数料負担で送金することになります。ですので、延滞金利は日々積み上がりつつあるので、引き落としに失敗したことが先に分かっている場合も含めて、カード会社さんに連絡してその日時点の総額を確認した方がいいかもしれませんね。
ちなみに、なんで送金手数料まで負担しなきゃいけないの?ちょっと遅れた程度じゃない?なんて思うかもしれませんが、日本の法律ではお金を「借りたら」借りた相手のところにどんなに遠くても「持参」、すなわち持っていかねばならない、のが基本なのです。
あと、自動引き落としができなかったのはうっかりだったから勘弁して、とか、体調が悪くて口座の振り替えができなかった、とか、大雨で動けなかった、という言い訳をして許してもらおうとしてもダメなんです。これも日本の法律でお金を借りたら約束の日までに何があっても返さねばならない、とされているからなのです。と言いつつも、大震災があった、のような誰が見てもどうしようも無い、という誰にとっても特殊な事情の場合は許してもらえるケースがありますので、自分の都合じゃ無い時でみんなも同じようにどうしようも無い場合には相談する方がいい、のですが、寝坊したから、という個人的な理由は絶対に許されませんのでご注意を。
また、すでにお気づきかと思いますが、延滞した瞬間から、扱いとしては借金の取り立てモードに会社さんは入っています。
あと、忘れてはいけないのが、この時点でほぼクレジットカードは使えなくなっています。
二度目の引き落としも失敗したら
二度目のチャンスもふいにしたあなた。逃げ切った気分になっていますか?そんなに簡単じゃないですよ。
カードを発行した時に申し込み用紙に書いた、その折り返しの電話として「これからカードを発行しますので(云々)」というお話をした(覚え、ありませんか?)時の電話番号にお電話がかかってきます。通常は優しそうでにっこりと笑っているお姉さん、です。って、電話の向こう側の人の顔写真ってそうそう見られないですよね。。。
内容的には、要約すれば声のトーンや話すペースなどを除けば「早く返してくださいね。いつ返すためのお金が入る予定ですか?」という返す当てを聞いています。次のお給料はいつか、とか、あなたの返す資金力を確認する必要があるからです。あ、日々延滞利息は積み上がっていきますので、後にすれば後にするほどきつくなります。
しかも、お電話は何度も何度もかかってきます。そりゃそうです。貸している側は心配なんですから。。。職場にも掛かるかもしれません。それだけでも十分社会的生活が難しいですよね。
そこで返す約束をしたものの、それでも失敗してしまう、もしくはまだ許してくれるだろう、なんて甘く考えていると。。。
あなたの社会的信用がなくなる瞬間
通常、最初の支払いの約束日から、62日から3か月経つ間にクレジットカード会社さんは信用情報機関にあなたの支払いが遅延していることを登録します。場合によってはカードの強制解約が行われる場合もありますので、その強制解約した旨も登録されます。
これはどういうことかというと、あなたはとあるクレジットカード会社さんとの約束を守れない、信用できない人だ、ということをクレジットカード会社さんの業界や銀行、消費者ローン、といった信用でお金を貸す人の間に情報共有された、ということなのです。その結果、もし他のクレジットカードを持っているならばそちらも利用停止や強制解約、のような手段が取られることになります。
当然のことながら、これのお陰で新しいクレジットカードやカードローンの申し込みも受けつけられなくなります。
この情報は5年保存されますので、住宅ローンを組みたい、というときにも影響が当然に出てきます。
ですので、この時点で仮に返済しても、向こう5年はクレジットカードやローンが使えない生活を強いられます。そうなると家はおろか自動車のような大型の買い物も当然買えなくなってしまいます。
なお、これは一ヶ月程度の延滞を何度もしていたらここにたどり着かない、という意味ではありません。延滞の常習犯も会社さんの方針により回数に違いはあれども、何度もやれば思っている以上に早い段階で信用機関に延滞履歴が登録されてしまいます。
じゃあ、返さないで開き直っちゃえ、と思っていると。。。
お金を返せという訴訟が待っています
三ヶ月経過すると、クレジットカード会社さんが裁判所に支払い命令を求める訴訟を行い、通常はあっさりと受け入れられますので、クレジットカード会社さんからではなく裁判所から支払督促が届きます。今までの未払い分と延滞利息の合計を一括して支払、という内容です。
それでも支払ません、支払いません、まだ逃げ切れる、なんてやっていると、最後には給与や銀行口座の差し押さえが行われます。こうなると生活がほぼ不可能になってしまいます。
そうなる前に、支払督促が来たら二週間以内に異議申し立てを行って、分割でいいから支払うので差し押さえだけは回避させてください、とお願いすることになります。その場合には裁判所で第三者の立会いのもと、今後の支払スケジュールを給料などとの兼ね合いでクレジットカード会社さんと決めていくことになります。
もちろん、これで一回でも支払なかったら差し押さえです。逃げきれません。
あ、ちなみに、この頃になるとクレジットカード会社さんのあなたの担当は可愛らしくソフトタッチなお姉さんであることはもはない、でしょう。。。
まとめ
このスケジュール感を書くと、どこまでは延滞利息を払えば遅れても許してもらえるんだ、という誤解を抱かれそうで悩ましいものはありましたが、ある程度スケジュール感を持つと、その危険度がわかれば、と思って書いてみました。
いずれにせよ、延滞も習慣化しかねないので、常に払うように心がけることが大事です。
間違っても逃げきれません。たくさんの人がいるから自分だけはちょっとは大目に見てもらえる、なんていうことは幻想ですので、それだけは覚えておいてくださいね。